《MUMEI》 安全な場所を一気に失った 一生かけて人をあやめていく仕事ってなんの意味を持つんだろう どんなにムリしてもそれが幸福のシンボルには成りえないんだろう どんなに正当化されたやさしさも本当とは違ってる どんな小さなわずかなものでも真に悲しみとなる それはどこまで積み重ねても幸せには何もならない 人の世界に住んでる者は生きてる場所のない者を浸蝕すればその略奪は返らない ない場所は汚されたら戻る元がない 人を利用して幸せのかさを増しても 人を踏み荒らして全てを吸い付くしても 場所を踏み越えた侵略は世界のすべてを破壊する 人間同士の領地の奪い合いのような幼稚さでは済まない 奪う場所はいのち以上のもの 生きる場所を持つ者はそこから出るべきではない 場所を踏み越えて侵食すべきではない 何も持ち出すべきでもなすり付けるべきものも一切ない そしてあなたはそれを公にする事を課せられる 非公式にそれを流出させて傷を負わせるほど苛烈な侮辱はない それはすべてを現実に受けてきた者に対するこれ以上ない侮辱 なぜそんな事がそれまでに必要ならば表にして出さないのか 陰にまでしてそれを目にさせる事で 陰にある真の現実に消せない侮辱を着せた すべては侵略さえなければ何も侵されなかった事 あなたのすべての同じやり方に私は全て同意する あなたと私の間にはなんの成約もなかった あなたの全てを攻撃に変えてしまったのは外界からの力 あなたにはそれが退けられないのでしょう それは私を現実に殺し続けていく それはない場所に映し出す必要がないもの ない場所は消せないんじゃない 入れ墨のように焼き切るように刻印される そしてそれがこの世に必要だというなら それを出すにはおおやけにしか方法はない 陰が陰でない以上それはもはや凶器となったのだから すべてあなたが一人きりで何物にも邪魔されていなければ これまで全ての事すべてそのままで完全だった 私はそれを本当ならそのままで受け止めたかった 今ここでだけでも少なくとも何も介入していない完全なそれを一度だけでも受け取りたい そして実際にはそうではない全てを受け続けてる ほんとうは現実には神経がもう利かなくなってる場所がある事に自分自身気づいてる 今じゃなくもうしばらく期間も重ねている 意志の力を休みなく使い続けてもう麻痺して動かない箇所がある 完全に壊死してるのか蘇生がありうるのか確かめようもない とにかく意思では感知しない腐敗したのかもしれない身体 だからもう身体では意志を保証できないんだ ただ肉体という場所のない意識が確かめようもなく必死に意思に問いかけてる これが進んだら心も精神も消滅してしまうのか それを加速させるものも投与されるのかもしれない恐怖と 最後には自由と自然の中ではなく用意されてこじ入れられて迎えるのかもしれなくても それを寿命などと呼べるだろうか 自然に逆らわずに生きていてアルツハイマーになるのと 神経を切断する作用を受け続けて人としての感覚を失い切るまで生きさせられるのとを 同じ人間の運命などと受け入れられるだろうか 今はそれを目の前にして何か声に出すという事すらできようもない23-01 生きる場所のないものは この世界で居場所を奪われては すぐにも存在している所がなくなる 生きたまま居る場所がなければ この世界には存在していられない 人の命を左右する場所に触れないでほしい 住所がわからなくなったら ずっとさまよい続けたまま 戻れる場所は見つからない 前へ |次へ |
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