《MUMEI》

真奈美の携帯に、カオリさんから着信があったんだ

だけど、電話の相手はカオリさんじゃなく
間宮だった

友達が大切なら、来い

間宮は、そう真奈美に言ったそうだ

真奈美、おじさんに電話してた
そして

翔、私行かなくちゃ

俺にそう言ったんだ

うん、一緒に行こう
眞鍋さん、高橋さん、ありがとあ、後は俺らで型つけるよ

行くわ、私も
行くわよ、私だって

二人はそう言ったんだ

マトモじゃないんだ!
気違いじみてるんだ!
そんな奴の所へ連れて行けるわけないだろ!

叫んだ俺に

女子には女子の戦い方があるのよ
真奈美、行きましょう

眞鍋さん、そう言ったんだ

最悪、警察に通報ね
真奈美に嫌な思いさせることになるかもだけど、
ストーカーには、そんぐらいしないとね

高橋さん、そう言った

ストーカー?
ニュースとかで、聞くけど
これ、ストーカーなのか

どうしたの?

眞鍋さん、俺の顔を見て、聞いたんだ

そっかぁ、アイツ真奈美に、未練があるのかぁ?

そう呟いた俺に

気持ち悪いこと、言わないでよ!

真奈美が言ったんだ

あいつ、自分に負けたんだな
真奈美がセックス経験者だった
自分は、経験ないのに

好きって思いが暴走したんだな

嫌えれば、楽になれる

真奈美が落ち目になれば、諦められる

やりたいことやって、汚しちまえ、
そんな、とこか、な、

呟いた俺に

翔、何を考えてるの?!
あんな奴の事、考えないで!

真奈美が叫んだんだ

あんな奴でも、一時でも、真奈美が惚れた奴だろ?

俺の言葉に、真奈美が絶句してたんだ

…………

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