《MUMEI》

あれから7年。
私は17歳になった。
ルティは30歳になって………
背徳を犯している。

ルティに抱かれるようになったのは16歳のころ。

『ーッルティ!?』

『黙ってろ』

『………っ………ま………っ………てぇ………』

『待つと思うか?』

『………んっ………や………ぁぁ………』

『"や"?』

ルティは私の下着に手を掛け私を見た。

『………まだ………』

『我慢できない』

『………っ………できないって………』

『大丈夫………』




その夜、私はルティに全てを捧げた。


あの夜から何度も何度も抱かれる。
今も。

ルティには逆らえない。

好きだから………。

「リリィ、どうした」
「べ………別に、何でもない」
「滑舌悪い。何でもないわけないだろ」
「………っ………うるさい………」
上から見下ろされる。
身長差がすごいから………

「………ルティ………」
「何だ?」
「………やっぱりいい………」
「………そうか」
前を歩くルティわ追う。
長い廊下ー
いつも、ルティの背を見ている。
ドレスが重い。

姫なんかに、産まれたくなかった。
そしたら………ルティと普通の恋愛が出来たのに………。

こんなに………こそこそした恋愛なんか、したくない。
いつも、ルティと繋がるのは灯りのない湿度の高い………ここ、1塔から離れた場所にある、4塔3階。
人気がなく、誰も近付かない。

ルティは敢えてあそこを選んだ。

ー私が、いくら声をあげても、誰にも聞こえないように。

王に分かられたら、ルティはここからいなくなる。


王にも、他者にも分かられないように………毎日、ルティと繋がっている。

"姫"と"ナイト"ではなくー

ただの、"女"と"男"としてー

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