《MUMEI》 舞踏会の夜 2ルティは手を離し、私を見下ろした。 「私は外にいるので、終わったら呼んでください」 私を誘った男に一礼し、出て行った。 「………ごめん、名前何だっけ」 「ラークです」 「………ラーク………ね」 「リリィ様、一曲、ご一緒願います」 「………ええ………」 曲が流れる。 他の城の人達が踊り出す。 それに合わせ、踊る。 ルティと踊りたかった。 曲が終わり、散る人々。 なのに……… 手を離してくれない。 「………ラーク………?」 「リリィ………」 「………手を離して」 「今夜………ご一緒できますか」 「………どういう………意味?」 「来れば、分かります」 そう言うと強く手を引かれた。 前へ |次へ |
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