《MUMEI》 若菜には秘密が沢山ある。 「綺麗だね」なんて知らない男に囁かれて心地良い人間はいない。 頭のチャンネルを切り替えることを促す物に頼りたかった? ―――――――違う。 若菜の脳内には常に討論が繰り返されている。 好奇心からでもない。 愛か? そう愛。拒絶しない為の特効薬。腕にタトゥーでも彫ってみた。 小さなお洒落。 若菜は教室に入る。足の更に下に眠るものを飲み込んだ。 楽しい友人に陽気な教師そして愛する恋人。 舞台より高尚、演劇より壮大。 目に飛び込むのは取って置きの舞台装置。 前へ |次へ |
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