《MUMEI》
序章
『チリン、チリン』

・・・・あぁ、またこの夢だ。鈴の音が聞こえる。

「燃えろ、焼き尽くせ・・・クククッ」

目の前に広がる火の海、その中で元凶であろう男が笑っている。

私は反射的に男を斬りつけた。

「・・・っ!ククッ、まだ生き残りがおったか。」

「私はこの屋敷のものではない。」

なぜか口が動く。

「では、おまえはなにものだ・・・」

「夜叉団団長の蝶・・・」

答えると同時に刀と刀が重なり合う

『キィンキン』

「ほう、面白い・・・」

こいつは強い、だが殺意がない。

「なぜ殺さない」

思わず聞いてしまったが男はあっさりと答えた 


「      」

―サァァァァ
男の言葉は聴きとれず夢から現に戻される

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