《MUMEI》

荷物を部屋まで運んでやっとゆっくりできる。

「テレビ欄も違う」
南が新聞のコピーを見ている。

次の予定まで30分も時間潰すのどうしようかな……



「トランプやろーぜー」
男女入り交じった団体が攻め込んで来た。
七生繋がりである。

普段なら俺も一緒になって参戦するとこなんだけど。

「俺はいい」
端で読書中の乙矢の近くに掃けてゆく。




水瀬が彼氏といるところあんまり見たくないから…………。



数人で分かれてトーナメント形式の大富豪をしている。
乙矢には迷惑がかからないように大して面白くもないテレビを見ていた。


足元に何やらカードが配られている。

「……やらないよ」


「負けたから暇になったからさ。付き合って」
七生が配り始めた。乙矢の分と、隣にいる同じクラスの彼女の分もだ。

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