《MUMEI》

昼食後、食器を洗っていると、電話がなった。
「…もしもし?」
『…もしもし、ユウ?』
梢のようだ。
「おう、俺だ…梢から掛けてくるなんて珍しいな」
『…たまにはいいでしょ?』
いや、悪いとは言っていないが…。
「で、どうした?」
『あ、うん…
次の日曜日に、私の町でお祭りがあるから…誘おうと思って…』
「多分暇だから行くわ
どこに集合する?」
『この前と同じで私の家でいい?』
「構わないが…
あ、言い忘れたが一人増えるかも知れない」
『……!?
…うん、大丈夫』
今の間は一体…?
「どうも
じゃ、日曜日な」
『…楽しみにしてる』
なかなか良い予定が出来た。
実に楽しみだ。
そんなことを考えながら片付けの続きをしていると、
「…なにニヤニヤしてんのよ」
ジト目で翼に見られていた。
どうやら表情に出ていたようだ。
「なんでも無いよ」
「ふーん、怪しいなぁ…」

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