《MUMEI》 吐息「………え………?」 「………悪い…………」 月の光に照らされ、顔が青白く浮かぶ。 見覚えのある人ー― 「………リリィ………悪い………こんな、呼び出し方して」 「………ルティ………そんな………どうして………?」 どう見ても、ルティだ。 ルティは、ゆっくりと腕を開いた。 無条件に、その腕の中に飛び込んだ。 頭に、ルティの吐息を感じる。 「ばか………こんなに………痩せて………」 「そうか?至って普通だが………お前が言うなら、痩せたんだな」 ルティの広い背中に手を回して、思い切り抱き締めた。 前へ |次へ |
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