《MUMEI》

俺達は改札を出、裕斗の住む区営住宅へと向かう。






少しでも一緒に居たくて鈍足で進むと、裕斗も自然に歩調を合わせてくれた。







「なーゆう、今度バイト代出たらさ、服買うの付き合ってくれよ」




「はは、良いけど…、なおは俺とサイズ一緒だったら良かったのになー」




「どーせ俺はゴツイよ、何着たって似合わねーし…」







すると裕斗はピタリと立ち止まった。





「ん?どうした?」




俺も立ち止まり裕斗の正面を向く。







裕斗は真面目な面持ちで俺をジッと見据え、そしていきなり破顔した。








「なおは…、格好いいよ…」







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