《MUMEI》 昨日ではなく今日が夜を明かす日になるのだとは思ってなかった あなたはなぜ苦しめられていなければならないのでしょう あなたにずっと言わないように堪えてきたこと あなたが苦しまなくてはならないと思っているのだとあなたは思ってきたのかもしれない事 ずっと最初から一度もそうじゃない事を言いたくても言って伝えてはならない事に 数え切れないほどの回数苦しんできた 本当をそのまんま分かるように言ってしまいたい でもそれを説明せずに正確に受け取ってもらえるように決して言葉にしてはならない それなのにおそらく間違った解釈をされている事を次第に何度にも重ねて伝えられる でもそれはただの間違いなのではない あなたにとっては間違いでも構わなくいられても それは命には関わりがなく平気な事であっても それが彼女にはまるで反対になる それは死んできた彼女のすべての否定となる 彼女は口にしないようにずっと耐え続けてる 言いたいなどという欲求の言葉とは別の真逆の事 それは違ってる そうじゃないんだ という自身を違ったものに当てはめられる耐え難い枠から 手や足や言葉を使う事なく逃れる方法を奪われるまま 耐えられなくて苦しみながら それを誤らないでと 願いながら最後のラインを越えても声にする事をこらえて 伝わる事をもう限界が過ぎてしまったら自身が死ぬしかない場所まで持ち越して 取り返しもつかない所まで それをした人間は確かに他にはいないのかもしれない 同じ決心をして生きてきた人はいないのだと思う それが死んできたのではない生きる方を選択してきた人々 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |