《MUMEI》

無理があるよな
飢えたんだから、万引きもするさ

親が居ない子供だからじゃない
環境がわるいだけだ

それに、この施設はそれなりにお金が無くちゃ入れない
親の都合で子供を育てられない
でも、それはお金以外の理由でだ

中には、身寄りが居なくて、親の生命保険を奪われた者も居る
行政がらみの犯罪としか思えないよな

気持ちが腐って行きそうだよ

ここに居ると

勉強しても無駄なのに、進学はできないし、
肉体労働ぐらいしか、仕事につけないのに

職員に陰口を言われてた
陰口じゃねーな、聞こえるように言ってるんだから

恵太、わるいんだけど、ちょっと来てくんねーか?

顔を腫らしてパシリのマナブが来たんだ

めんどくさかったけど
泣きながら、俺の腕を引っ張り
お願いだよ、と、しつこかったから

仕方なく、行ったんだ

橋を掛ける工事現場
予算だか何だかの都合で、止まってる工事現場に、連れて行かれた

喧嘩かよ、めんどくせー

俺達施設の者は、街の不良の餌食だったんだ
何人もの女子が、犯されたりしてるそうだ

そいつが、援軍か?
くくっ、ひとり増えたからって、どうなるってんだ?
なかなかよかったぜ、マリコのマ〇コ、俺らみーんな、中に出しちまった
尻の穴にまで入れられてたぜ

髪を捕まれ、ボロボロになってる、マリコの彼氏に、そう言ってる街の不良たち

頭の中に、悪夢がよみがえてきてた

母さん、ミズキ、
俺の目の前で、母さんと妹は……

拳に力が籠る

あんだ、やるってのか?!

俺の肩に手をかけた髭ピアスの顔面が陥没した
鼻が埋もり、呼吸すら出来ないだろう

そして、腕があらぬ方を向き、悲鳴もなく、地面に倒れていったんだ

遠くで声が聞こえてる

こいつ、なんか武術使いやがる、

鉄パイプや、ナイフが見えた

はぁ、はぁ、はぁ、

11人が、地面で蠢いてた
まるで、虫のように

俺の拳は奴等の血で、どす黒い赤に染まってたんだ

弱いな、弱すぎる、
いきる価値は無いと知れ

リーダーと思われる男の頭を踏みつけ、言ったんだ

……………

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