《MUMEI》
カズヤ
休み休み、歩いてた
体調が悪い、食ってないし、公園で水を飲んだだけだしな

施設の近くに着いたのは、暗くなってからだった

足が止まる
俺の帰る場所なのか?

スクーターが、通りすぎて止まった
そして、俺の前に来て

恵太!、戻ってきたのか?

声の主は、マリコの彼氏だったんだ

あ、なんだっけ、名前

カズヤだよ、名前ぐらい覚えてくれよ

ぁは、そっか

どうした?、ずぶ濡れじゃねーか?

ん、歩いて来たから

ごちゃごちゃしてるぜ、マリコが園長ともめててよ

ふぅ、湯鬱だね

乗れよ

え?

俺んちに来いよ
どうせ、戻ったら説教だぜ

でも、ヘルメット

要らねーよ、んなもん
不安なら、俺の被ってろよ

あ、

ヘルメットを渡された

スクーターにニケツして、カズヤのアパートに行ったんだ

スンゲーボロいアパートだった

適当に座れよ

あ、うん

ほら、

酒?

なんだ、飲めねーのか?

とにかく、飲んでみた
うえっ、不味い

ぷっ、でも暖まるぜ

確かに、体がポカポカするような

俺が、黙ってたからかな
カズヤが、生い立ちみたいなのを話してたんだ

親の顔も知らないんだって
親戚が、カズヤをあの施設に押し付けたそうだ
高校卒業するまで

たぶん、多額の保険金か何かを寄付したんだな

園長のロリコンは、有名らしい
毛のはえてない、女子が好きらしい

最近は、世間も煩いから、口の固い女を狙ってるんだとさ

食べ物屋、服、携帯電話何かを餌に

マリコ、あー見えてさ、後輩可愛がるんだよ
女子は整理用品とかも必用だし、下着だって新しいものが良いに決まってるだろ?

自分が我慢すればってさ

ほんとかよって、思ったけど
確かに女子のリーダーだよな
みんな、慕ってる

マリコさ、父親に犯されたんだよ
小3でだぜ
生理なかったから、そのままでさ
でもよ、小5で、出来ちまって、

そんな話を聞いてた時だった
誰か来たんだ

マリコだった

恵太!、戻ってたの?

今、お前の話をしてたんだよ
話しちまったぜ

ん、べつに、みんな知ってるしね

ほら、差し入れ

悪いな、いつも

気にすんなよ、カップ麺ぐらいで

カズヤ、働いてんだろ?

聞いてみた

カズヤはね、金ためて車の免許取るんだよ
そしたら、あんなクソ工場で安くコキ使われなくてもすむだろ

そっかぁ、前を見てんだね

恵太、何食う?
色々あるぜ

いいの?

カップ麺を、ごちそうになったんだ

何でかな、メチャクチャ美味かった

俺、がっついてたかも

…………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫