《MUMEI》
夜空
結局、人に酔って、外へと出た。


手摺に肘をついてハリスは立っていた。
どこか、遠くを見るような顔をしている。

近づく。


「………ハリス」
「………どうした」
「人に酔った」
「そうか」

………。

すぐ、会話は途切れる。


「………なあ」
「………何」
「お前の昔のナイト………どういう奴?」
「………凄く格好良くて、背が高くて、優しくて………信頼出来る人だった」
「………ふうん……」



「………それに………」
「………」


「初恋の人だった………」


ハリスが溜め息をつく。


「おれも………初恋の奴はいたけど、関係がバレて、城を追放された」

………"追放"………なら、

使女(女中のような人)………か………


「何か、似てるな」

「………うん」


満天の星空を見上げた。

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