《MUMEI》
反対
「………ナイトの子供?!」
「ええ。ルティの子供よ」

王に言う。
深く、溜め息をつく。

「………ナイトの名を呼ぶな」
「ルティっていう名なのに?」

「おろせ」
「嫌」
「お前はハリスの子供を孕むのが仕事だ………それを分かっているのか」
「私は、相手がルティじゃないなら、産まない」


お腹にいる、ルティの子供。
おろさない。
そう、決めた。


けど、王は反対する。


淫らなナイトの子供を孕むのを嫌がる。

酷い。


「おろしなさい」
「………王妃………………」
「全く………淫らなナイトの子供なんて孕んで………民が悲しむわ」
「………淫らじゃない」
「とにかく、おろしなさい」
「嫌」
「我が儘言わないでちょうだい。ただでさえ、忙しいのに………それに、まだ17でしょ?」


結婚させようとしたのに、何でそんなこと言うのか………



「姫様」
「もう………疲れた………」
ルーテルに言う。
「………どうして………姫なんかに………産まれてきたのか………」
「………姫様………」


無意識に涙が流れた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫