《MUMEI》
Olderbrother?
「…それがなんですか」

「めんどいからあんたが行ってきてよ」

「はぁ、、、やれやれだよ、二人とも…仕方ない。ほっとくわけにもいかないからね。私が行ってくるよ」

「ちょっ、あの、敵って…?」

「ああ、さっき話したUNIT:MAGICさ。オカルトと科学は、対立しているんだよ」

「でも、行ってくるって…まさか」

「大丈夫さ。相手も政府が隠しているのは知っている。場所は変えるって」

「でも…」

「君が心配しても、結果は何も変わらないよ。護君」

護が何かを言う前に、店の外へ出て行ってしまった。

「なあ、追いかけないのか?」

「追いかける必要はない」

「むしろ死んでほしいというか」

「酷いなお前ら;」

ネットカフェでPCすら起動せずただくつろいでいるだけ。
深景はジュースを頼み始めた。
優衣はさっきからずっと本を読んでいる。ブックカバーのせいで何を読んでいるのかは分からなかった。



「お待たせお待たせ、同士氷室君」

「貴様を同士などとは認めていない。貴様と戦う筋合いもない。戦うだけ時間が無駄だ。他のメンバーに会いに来た」

店の外で待ち構えていた、アオイと同じ白衣の男。白衣のせいか、前を通る人々はじろじろと氷室を見ていく。
漆黒の髪は太陽の光で生み出された輪で蒼く光り輝く。
右目を長い前髪が隠しているのが印象的な男だ。

「へーえ。やっぱ妹さんの方がよかったんだ」

「黙れ」

「じゃあ呼んできてあげるよ」

「もう俺はあいつの兄ではない。兄妹の縁は遠い昔に切ったといったはずだ」

「つまんないな、君たちは。私の趣味は人間観察だってことお前は知ってるだろ?」

「それがなんだ」

「ちょっとはそういう面白い展開にしてくれよ。君は実につまんないね。まだ君の妹のほうg「俺に何を言おうが知らない。だがあいつの邪魔はするな」
何さ。縁を切ったとかいいながら妹の事思ってんじゃん」

「黙れ」

「自己中なやつ。」

そう言うと氷室は冷たく見下すような眼差しでアオイを見つめる。
だがアオイ動揺しない。

「っ!!」

しかし一瞬にしてその面が崩れる。
カチカチの氷ががっちりとアオイの脚を捕まえており、徐々に氷が上へ上へ昇ってくる。
氷室は表情一つ変えずその様子を眺めている。

だが、氷はプシューという音を立て水に変わり、ジーンズの裾からポタポタとアスファルトに落ちる。

「君は私の能力を忘れたの?私には君の魔術は効かないし、第一こんな場所で能力をお披露目だなんて。君も政府側の人間だろう?」

「忘れてはいない。この通りは人通りも少ない。俺はその調子に乗った面を壊してやっただけだ」

「あっそ。」

「もうお前の面を見ただけで戦う気が失せた。俺はこれで帰る」

すたすたと氷室はどこかへ歩き去って行った。

「ほんとにつまんない奴」

アオイはぼそっと呟くと、店の中に戻って行った。

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