《MUMEI》
全部お前のため。
.








「最近の媚薬は、《熱くなる》とは限らないんだ…。」






違う。








俺が言いたいことは………





違う……………








腕の中で震えてる、大好きなヤツ




あの《詐欺》から助けるためにも、



アイツと佑二の心を繋ぐ何かを断ち切っても


傷が浅くて済むように









俺の気持ちを収める為にも………







やっぱり俺が出来ることは、


これしかなかった



唇を奪った。










「ごめん佑二……俺には…」



俺は佑二の首筋に、軽く歯を立てた。

それからまた、強く抱き締めた。





「俺には……これしか思いつかなくて…」





カタカタ震える可愛いヤツ。

身長だって俺とそんなに変わらない。



でも今は、








意味もなく守ってやりたい。






「う、?…寒……」

一瞬、俺の腕の中の肩が跳ねる。




…来たか。



「何処が…?」

髪を撫でながら

俺の肩に乗る頭へ問う。



「耳とか、口ん中…。やべぇ俺、死ぬのかな…」






計算通り。







ただ、間違っても……



「死なせやしない、絶対に。」



佑二を失うくらいなら俺…





「…ッう」



…来たな


「寒いの…腰にも来た?」






コクコク頷く、佑二









俺はやっぱりコイツが…

















大好きだ。






.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫