《MUMEI》
襲撃されたマンション
ちっ、弱味、見せちまったかな

あの日から、真知子の態度が、変わったんだ

威圧的ではないけど、命令口調に、戻ったんだ

ほら、恵太、早く食べたゃってよ
片付けたら、行くわよ
恵太の面倒だけ見てられないの!

いいよ、洗い物、俺しとくから

規則正しい生活なさい!
じゃないと、堕落してくわよ!

口煩いなぁ、もう

その時、下の階から、音が聞こえた!

拳銃の音だ!

真知子!、敵だ!

ま、まさか、だって、警官が居るのよ?!

撃ち合ってる音だよ…

緊張が、走った
どんなに、武術を極めても、たくさんの拳銃の前では無力…
祖父が、そうだった

包丁と、ナイフだけか?
折り畳みの果物ナイフを、ポケットにしまったんだ

真知子が書類を燃やしてた

俺も、パソコンを初期化したんだ

暫くして、警官が来た

襲撃されました!、避難します、来てください!

待って、処分しないと…

急いで!、車を待機させてます!

違和感を感じた、車までの動線は確保されてるなら、急ぐ理由がないだろうに?

更なる敵襲前に、応援を呼べるよな?…

真知子!、処分を優先しろ!

は、はい

俺の言葉に従った真知子だったけど

急いで!

警官が、急かしてたんだ

敵は何人だったの?

冷静に聞く俺に

わ、わかりません、

わからない?

じ、自分は応援で駆け付けたので

相棒は?
警察官は二人一組でしょ?

車で待機してます

恵太、此方は終わったわ、急ぎましょう!

真知子が言ったんだ

うん、

警官の後を付いて、エレベーターに乗ったんだ

ひとつ下の階で、一度止まり、扉が開くはずなのに…直通で、地下駐車場まで、エレベーターは動いてたんだ

エレベーターのスイッチのとこの鍵が見えてた
応援で駆け付けた制服警官が、何で、エレベーターのセキュリティーの鍵を持ってるんだ?

………

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