《MUMEI》
帰国
羽田空港のVIPルームに、真知子が迎えに来てた

何度か裁判の時に帰国してたけど
今回は、本格的な帰国だ

お帰りなさいませ、恵太様

真知子の顔に、笑顔は無い

行こうか

はい

車に案内された

相変わらず、ボロのクラウンか?

贅沢してる時ではありません

真知子がそう言ったんだ

霞が関へ 向かう車のなかで、真知子に言った

再建して見せろよ

……真知子のやつ、黙っちまった
俺は本当に高橋一族を崩壊させたんだ

アメリカの信用機関に預けてあった一族の悪事の一部を、公開したんだ

真知子との約束を、破ったことになるかもな

ただでさえ警察内部の大掛かりな犯行で、大騒ぎのときに
日本の株価どころか、国債の信用度まで下がり
経済はさらに下降した

高橋不況と言う輩まで居るそうだ

霞が関で、警視と再開した
そして、つまらない話の最後で

殺しは認めんよ

そう、言ったんだ

まだ、逃げてるんだってな?
国外ににがしたそうだな、

逮捕して見せる!

日本の警察に、出来るのか?

やらなきゃ、お前を犯罪者にしてしまうだろ?

なんなら、軍隊を動かそうか?

恵太、恨み辛みは

消えねーんだよ!
何年たっても消えねーんだよ!

テーブルを叩き、怒鳴ったんだ

ふうっ、でっかくなっても、心は育ってない、か
いいか、ここは日本だ、にがしたそうだな、警察が
治安を維持してるんだ
忘れないでおけよ

警視は、そう言ってたんだ

………真知子、先に戻ってろ

どちらへ?

ちょっとな

お伴致します

そうか、なら、俺が運転するよ

左側通行ですよ

わかってるよ

俺は、ある場所へ向かったんだ

…………け、恵太か?!

オッサン、腹の穴は塞がったかい?
ほら、牛丼だ

このやろう、背がでかくなってやがるな

なんだよ、犬じゃねーんだから、頭撫でるなよ

警部と牛丼を食ったんだ
マトモな警察官も居る、わかってんだ、そんなこと

俺が誰かを知ると、周りの警察官も此方を見てた

日本では、少年法で守られてるけど、アメリカのマスコミは、そうでもない

ネット社会だから、まんな知ってるよな

そう、呟いた俺に

飛び級して、大学を出たんだってな

オッサンが言ったんだ

英才教育されたからね

大富豪だろ?お前が暮らしてた家は

まぁね、自由がなかったよ

………人の道を、踏み外すなよ

わかってんだけどさ

消えないのか?

まぁね、何かを見つけられたら、変われるかもしれないけど
今は、何も見つからない

出きることなら、全て忘れろと、ムリな話だな

取り合えず、国外逃亡してんだろ?
国内で殺しはねーよ
オッサン、逮捕するならオッサンに逮捕されてーな

止めろ、そんなことは考えたくもねー!

警察は嫌いだけど、オッサンは好きだぜ
じゃぁ、行くわ

恵太、何かあったら電話しろ
お前の街まで駆け付ける

無理すんなよ、管轄が違うだろ?

有給とって行くさ

オッサンに、名刺を渡された

ん、何もねーと、思うけどな

それが、一番だよ

……………

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