《MUMEI》
地元へ
東京から北へ
真知子に運転させた

高橋一族は、誹謗を浴び、土地を売り、街から離れてくものが後を経たなかった

悪事が露見した当時の市長は首吊り自殺をし、また、その当時の警察署長も、拳銃自殺をした
代議士も、何人か、飛び降りたり薬で

何かが露見すると、裏切り者が内部告発をする

街はメチャクチャだそうだ

その街に、俺は向かってた

なぜ、お戻りになるのですか?

運転しながら、真知子が聞いたんだ

高橋一族を、再建するためだ

恵太様

真知子、力を貸せ
一族は、数ではない
あの地を統治してきた歴史を、俺の代で立ち切るわけにはいかないだろ?

地元に着くなり、墓参りをしたんだ

先祖代々の墓、父も、母も、ミズキも、ここに眠ってるんだ

父は、事故に見せ掛けられ、殺された
母は、7発もの銃弾で

ミズキは、自ら舌を噛みきって

花をたむけ、線香を灯しても、何も話してくれない

手を合わせても、何も、

何しに来たんだ、恵太!

無粋な奴だな、今声を掛けるとは

一族を、崩壊させた悪党め!

俺のやることが、気にくわないなら、社をたたんで、何処へでも行くがよい

なにを、偉そうに
街に残ってる者が、どれ程惨めな思いをしとるかわからんのか?

黙れ!、たわけ者が!
一族を名乗るのなら、その痛みを堪え忍べ!
そるが出来ぬなら、消えろ!

二十歳の俺に怒鳴られた、伯父は、この社の神主だ

一族がしてきた事に比べれば、大した痛みでもなかろう

俺の言葉に、言葉を無くしてた

墓が綺麗だな、壊されたと聞いてたが

直しておきました、何者かが、墓石を倒したそうなので

恨まれてるのか、愉快犯か、どちらにしろ、嫌われ者には、かわりないな

真知子の言葉に、そう、答えたんだ

…………

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