《MUMEI》
ぐしょぐしょ。
今日もまた彼女は僕の家に遊びに来た。
「こんにちは、千雨。でも、さすがに毎日すぎないか?僕は暇だからいいけど」
「私も暇なんですよ、晴斗先輩」
千雨は家に上がった途端に、ゲームを起動させ、やりかけのRPGを始めた。
「3回目のシーモアが倒せないんだよねー」
僕は台所でリンゴの皮むきを始めた。
「ああ、滅びのヤリとアレイズのコンボな。ありゃうぜえよなあ」
こくこくと頷く千雨。
「っていうか、毎日家でゲームだけど、行きたいとこないの?」
「うん。待ってるんだ」
何を、と聞く前に、あっ、と千雨が呟いた。
「雨………。あ、洗濯物っ」
千雨はベランダに干してある洗濯物を取り込んでくれた。急な大降りだったためにやっぱりぐしょぐしょで洗い直しになってしまった。
「ありがとう千雨。助かったよ」
「結局濡れちゃった………」
「濡れてないのもあったから助かったよ。風邪引く前にシャワー浴びなよ。いま火つけてくるね」
その瞬間、僕は頭に雷が落ちたようだった。
ふっ、ふふふ、2人っきりで女の子がシャワー浴びるだとぉ?
夢に見るシチュエーションじゃないか!
僕はどうすればいい。覗くか?否か?
僕はどうすれば………!
「覗いたら………怒る」
否。
大人しく待つことにした。
「着替え、いくつか僕の服を置いとくから好きなの着てね」
「オッケー」
こうして千雨はお風呂に入った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫