《MUMEI》
裸ワイシャツ
RPGで雷回避連続200回を挑戦中に、千雨はお風呂から上がった。
「ぶっ!?」
裸ワイシャツだった。そんなもの用意していなかったはずだが。
「シャワーありがと。彼氏ん家で浴びるって、緊張するね」
そう言いながら定位置に座る。ワイシャツがブカブカだからか、見えそうで見えない。
「あれ、晴斗先輩。さっきから雷直撃してますよ。何回も」
「ふぇっ!?み、見てないぞ!」
「晴斗先輩?」
首を傾げる千雨。
「あ、ああ。千雨、リンゴ食べるか?それとコーンスープも入れといたよ。温まるよ」
「ありがとー晴斗先輩」
台所に立ち、千雨の後ろ姿を見ると、意外と体が小さい事に気付く。
よく見ると、小刻みに揺れている。身震いしている。寒いのだろうか。
僕の家にはエアコンがあるが、まだそれを使用するほど寒くはないが、お風呂上がりは別だろう。
僕は千雨を後ろから体を覆った。
「お、おおう!?いきなりどうしたの?欲情した!?」
「………第一声がそれってどうかしてるよ………。じゃなくて、寒そうだったからさ」
千雨は顔を真っ赤にさせてうつむいた。
「さすがに………恥ずかしいじゃん」
照れた顔は最高に可愛かった。愛おしかった。
「うん。やっぱり僕、千雨が好きだよ」
「〜〜〜〜〜ッ!照れるっちゅうに!」
バタバタと暴れ出した千雨。
「うわっ。急に暴れるなよ」
両手を急に上げて振り回す千雨。それを止める僕。
もにゅん、と柔らかい感触が両手の平に感じた。
「――――!」
千雨の背筋が伸びた。
「え、これって………」
おっぱい?

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