《MUMEI》

空に星が出てきた頃、沙羅はセレナ様の部屋から出てきた。



丁度俺が城の中を散歩してた時だ。




「幸紀ちゃん!何してんのこんなとこで。あっ!分かった。・・・私の事待っててくれたんでしょ?」



沙羅はニコニコ笑いながら言った。少し目が腫れてる?







泣いてたんだ。








俺は何も言わずに優しく沙羅の頭を撫でた。






「幸紀ちゃん。」




沙羅は俺を見上げる。




「何があったか知らねーけど。あの・・・その、なんだ?気にすんな。」




俺は言ってから後悔した。

もっといい言葉がかけられれば良いのに。



沙羅は柔らかく、にっこり笑うと

「ありがとう。幸紀ちゃん。」

そう言って自分の部屋(?)に入って行った。

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