《MUMEI》

「ん、だよそれ…」

裕斗は歩き出し、今度は俺が裕斗に歩調を合わせだす。






さっきより少しだけ速めだけど普通の歩調より遅め。



俺は何気に夜空を見上げる。







するとたくさんの星座が点在していて…







裕斗の背中を見つめながら、俺は思う。









―――遠くに行くな








俺の傍に、居ろよ……









――中学入学の日
桜散る下、静かに佇む裕斗に心奪われ







……俺は生まれて




初めて







恋をした。







――その頃から好きだったって事は、裕斗に告げては…いない。








大学卒業した頃、まだ俺達は一緒にいるんだろうか?


俺は泣きたくなるのをぐっと堪え、
不安を打ち消す様裕斗の隣に並ぶ。








今日一緒に居られる





残り僅かな時間を










――大切に想いながら






前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫