《MUMEI》 不思議な姫様地下の牢獄の中にいるのに、ここの姫様は変だ。 夜毎に会いにくる。 チーランだ。 どうやら、この姫様、チーランは俺を気に入っているらしい。 噂で聞いたが。 まぁ、全く興味はないが。 ―リリィじゃなきゃ、俺は満足しない。 あんな奴は、嫌だ。 「………ッルティ」 リリィより高い声が降ってきた。 「………うるさい………構うな」 目線を逸らす。 が、いくら言っても構って来る。 どうしたものか。 「ルティ………ねぇっ」 甘える声で俺の耳許で言う。 「………目障りだ、帰れ」 「せっかく会いに来たのに………」 リリィなら、どれだけ嬉しいか………。 まとわりつくチーランをただ見下ろした。 前へ |次へ |
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