《MUMEI》
信じられた愛
篠さんの日記は最後まで父親だった。
律人が誰より篠さんの中で一番だったこともそこには全てが書かれている。

「俺、篠さんみたいに出来た人間じゃないけど二郎と一緒にお前の人生に関わらせてくれない?」

「七生は……不安だ」

「お前ズバズバ言ってくるよな乙矢よりは優しいけど」

信頼されてるみたいで、七生って呼ばれるのが嬉しい。

「二郎を好きだったのは驚いたけど、やっぱり父さんは父さんだった……」

「……アメ舐める?」

「キャンディ?」

「ソーダ味」

朗らかな表情の律斗に戻って良かった。
言葉に上手に出来ない俺達だから、何か通じ合うものがあるんだ。

「ジローのこと、好きなだけじゃないんだな」

「律斗って大人っぽいな……いいけどね、律斗のカッコイイとこだけど二郎に甘えてるのもいいと思う、俺が第一優先だけどな?」

俺にはつっぱねるくせに、無邪気に二郎にくっついている律斗が良い意味で子供らしい。
くっつきすぎだろう。

二郎のモチモチした肌に擦り寄りたいのはわかる、ベッドに戻ると二郎の寝息を聞いているとキスをしたくなるのも。

三人でベッドで眠るととても安心した。
普通じゃないけど、これが俺達の普通、家族の形だ。

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