《MUMEI》
選択
血だらけで連れてこられた王室。
何かのきつい臭いがした。


目の前に王が来る。
家臣等がざわめく。
無理もない。
俺は犯罪者だ。

背徳を犯し、姫を孕ませた。

なのに−

「………王………!?」

後ろにまわり、手枷の錠に鍵をさした。

「………何を………」
自由になった腕を床に叩く。

俺の前に来て、言う。


「2つ、選択肢をくれてやる」


2つの………選択肢………?


「1つ、このまま処刑されるか」

処刑−

………処刑されたら………
もう、本当にリリィに会えなくなる。

−それだけは………回避したい………
………もう1つは………





「もう1つ、チーランと結ばれてくれないか?」


………!!?

チーランと………結ばれる………!?


そんなこと………って………


王室の隅で、チーランが、細く笑っているのが、視界に入った−。

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