《MUMEI》
リセット












俺は家へ入るなりシャワーへと直行した。







――今日一日をリセットするかの様に、熱めに設定し、強めに浴びる。





――初めて直哉以外の人間と、セックス…した。






どうしてそんな気分になったのか自分が良く、分からない。





さすがに今日は直哉のアパートに足を踏み入れる気にはなれなかった。





何時もじゃどんなに疲れてたって、気分が乗らなくても誘いを断わった事が無かったのに…。






――直哉が俺だけを必要としてくれる様に、今まで頑張ってきた。






友人や恋人、どんな形でも良い。








『俺を一番目の相手に見てくれる直哉じゃなきゃ嫌』








―――その薄黒い想いだけで恋人を演じる自分。








――だって





一人ぼっちはもう…









嫌だ。

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