《MUMEI》

あなたはもう理解力が無くなってる 冷静にはもう分からないんだろう そしてさらにそれは進んでいくのかもしれない 何のためにこうなったんだったか それでもどうか思い出して あなたがしたかった事はそうじゃないはず やめて おねがいします やめてください おねがい あなたがそれをするというのは 私をちがう物に仕立てていると同じことになる あなたの中には植えつけられた論理に基づいた私がいる それをどんなに信じきろうと私に振りかかるモノは中身を変えない 私は感情ではない血や汁と同じしたたるだけの涙を公の場所でながす 最初からあなたの頭にはなかったこと 何も望んでいないのがどれだけ本当の事だったか ただやめてくださいとだけ 居場所がないと言っている それがなにを意味するのか その言葉を使ったらふつうの人間と同じにはいられなくなる 私を犯した人間をあなたが私のドアの前につれてくる 私にはそのドアしかないのを甘んじて受けている そのドアしか私にはないんだ 汚されたのは身体だけだと思っているでしょう でも侮辱して殺された命は死んだままここにいるから 生けることなかった死体に何度でも侮辱が重ねられるから あなたがそうする事はあなたが侮辱するのと同じになる あなたがその人間の権利を主張するのならば 場所はそこ以外にいくらでも広げられる 犯してなどいないと声を上げれば簡単に信じられもするだろう でもあなたが私にその人間を受け入れるべきだと示す時 あなたは私の目の前にそれを突きつける事の恐ろしさを失っている 神や人が許さないのではない 許される事のない事実はただ消えてはくれずにそこにある あなたが侮辱ではないとして行う全ては私を別の死人に変えてしまう 目が死人の目を偽れない 死んだ命にまだ重ねて受ける侮辱をこらえる あなたしか守れないのは本当はだれ?

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