《MUMEI》 返事「阪本」 名前を呼ばれただけでも過敏に反応してしまう。 「ちょっといい?」 また涙が溢れてきた。 「ちょ、泣くなって!まだ何も言ってねーじゃん!」 腕を引っ張られ、誰もいない階段前にきた。 「昨日のことなんだけど……」 やだ。やだやだやだ。フられちゃう。 「い、いいの!ただ言いたいだけだったから!山本くんが由紀のこと好きなのは知ってるし!迷惑かけて、ごめんね!」 「………話最後まで聞けよ。」 「ご、ごめん。」 「斎藤のこと好きってゆーのは、嘘なんだ。」 (……………え?) 「本当は、俺も阪本のことが好きなんだ。付き合って欲しい。」 「う、嘘………。」 「嘘じゃねって!気持ち伝えてくれてありがとな。これからもよろしく!」 「嘘じゃないんだね…。嬉しい!こちらこそよろしくっ………」 どんっ 音のなった方を見ると、そこには由紀がいた。 前へ |次へ |
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