《MUMEI》 直接の死因画面に真っ先に写し出されたニュースは、まさに昨日の事故の内容を報道していた。 画面には事故現場が映し出されていたが、今は昨日の悲惨さは微塵もない。 だが、やはり脳裏に焼き付いたあの光景は、鮮明に洋平の頭に浮かび上がった。 そこをバックに、リポーターが原稿を読み上げているのだが、洋平の耳には余り入って来なかった。 ハッキリと聞こえていたのは、昨日の犠牲者と、死に繋がった直接の原因。 頭部切断。 首から上がなかったらしいその死体は、持ち物から身元が確認された。 何故そうなってしまったのかは、まだ詳しく解っていないが、落下時に運悪く看板が首に当たってしまい、その衝撃で切断されたのだろうと予想されているらしい。 しかし洋平には分かっていた。 「きっとアレのせいだ…」 あの日、あの時… 井上と洋平にしか見えなかったモノ。 「皆に教えなきゃ!!」 テーブルに置いてあった携帯に手を延ばそうとしたら、携帯の方から先に、着信を知らせるメロディーが鳴った。 前へ |次へ |
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