《MUMEI》 悪魔の囁き俯く。 すると、上から、声が降ってきた。 「健気だねぇ」 「っ貴様………」 ラークだった。 「良いこと、教えてやるよ」 「………?」 「お前の姫様、お前が死刑を選んだこと、嘆いてるぞ」 「………」 「いいのか?それで」 「………仕方ないだろ…………会えないなら、死んだほうがましだ」 ククッっと、喉を鳴らして笑う。 「なぁ、悪魔の選択…………してやってもいいぞ」 「………!?」 「但し、叶ったら………分かるよなぁ?」 聞いたことある。 願いを叶えたら、その場で、悪魔に食い殺される。 無惨に、残酷に………血を撒き散らして……… ラークが不気味に笑う。 獲物を狙う、猛獣見たいな― 「願いは、何だ?」 「………ここから………出て、逃げる」 「へぇ………意外なもんだな」 「意外じゃない」 「………へ?」 「リリィと、ここから………逃げる」 前へ |次へ |
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