《MUMEI》 プリント探索中。僕の家に着いた頃にはもう二人とも遅刻確定だった。まぁいい。一度の遅刻で人生が終わるわけでもないし。 「さぁてさて、プリントどこだっけな」 やった覚えはあるがどこにやったかは覚えていない。 僕が部屋で探索中、千雨は部屋を見回しながら言い出した。 「晴斗先輩ん家って、なんでか安心するんですよねー」 一体どうした急に。僕は訝しげに首を傾げた。 「むむ?安心とは何ぞや?」 「こういう雰囲気のお家、好きなんです。こういう雰囲気の先輩の事も好きなんです」 そうか。千雨の意図がわかった。千雨は僕の事を悶殺しようとしている。 ならば僕も千雨にお返しをしなくては。 「僕も千雨の事が好きだよ。そのほんわかした雰囲気とか、優しいところとかね。あ、あと胸も大きかった」 左手で何かを揉むようにニギニギしてみる。それを見た千雨は顔を真っ赤にさせた。 「あと声も可愛いし、大人しそうに見えて意外とやんちゃなとこも好きだよ」 この間アスレチックのある公園に行った時は大変だった。千雨は破格な運動能力を見せつけ、笑顔で僕を置いてけぼりにして行った。あの時の千雨は輝いていたなぁ。 「〜〜〜〜ッ!照れるっちゅうにー!」 千雨は顔を両手で隠してしゃがみ込む。照れ隠しだ。 ふぅ、疲れた休憩。 僕は椅子に座り込む。 「………………」 「………………どうしたの、千雨」 しゃがんでいた千雨は僕を見上げながら見詰めてくる。ん?惚れ直すようなことしたかな。 「先輩、私のこと、本当に大好きなんですね」 「何を今更。大好き過ぎて裸踊りできそうだよ」 内心、できるわけねえだろ!と自分にツッコミを入れた。 「どんな恥ずかしいことされても、平気ですか?」 「それは千雨に、てことかな?まぁ、全然余裕だけど」 「それじゃあ失礼します」 千雨は急に立て膝になり、僕のズボンのベルトを緩め始めた。 「はっ?へっ、なに!?」 全く意味わからない。チャックを下ろされ、ズボンを脱がされ、パンツ一丁に大変身。 「千雨ちゃぁぁあああん!?」 これは何だ妄想か!?まさか………まさかまさかまさか! 前へ |次へ |
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