《MUMEI》

凄いね、ほんと、恵太って

真奈美が俺の隣で御酌してくれながら、言ったんだ

頭が上がらんよ、ほんと、

マサヒロさん、頭を下げて、俺に言うんだ

お互い特でしょ

俺の言葉に、貴子さんが

助けていただいて、どう感謝をしてよいか、わからないわ

って

本当だ、此方の利益まで、配慮してもらえたなんて
切り抜ける知恵だけを、借りるつもりでいたのに

あなた、いつか、ご恩をお返ししないと

そうだな、このまま甘えてる訳にはいかんな

構わないわよ、私の………好き勝手にいじったんだから

俺に寄り添い、真奈美が言ったんだ

なんで、逃げるのよ、優子が、恐いの?

だってぇ、睨んでるもん

くっつきすぎよ、真奈美

嫉妬深いね、優子

優子が、身を乗り出して、真奈美をひっぺがしてたんだ
そこに、アヤナちゃんが来て、俺の膝の上に座ったんだ

けーた、これ食べたい

ん、お魚さん、まってよ、骨があるから取ってあげるね

うん

アヤナは、いいの?

優子に聞いた真奈美に

どうしろってのよ

くすっ、アヤナにまで嫉妬するの?、優子

喧嘩売ってるの?!、真奈美

また、優子と真奈美のじゃれあいが始まってたんだ

熱いよ、フウフウしてね

うん

可愛いなぁ、アヤナちゃん、子供かぁ
いつか、優子に産ませたいなぁ

でも、子供って残酷だよな

パパぁ

翔が帰宅すると、一目散に掛けよって

ぁは、ふられちゃったぁ

クスッ、パパっ子なのよ、アヤナ

真奈美は娘に嫉妬しないの?

嫉妬はないけど、夜、邪魔されるから

溜まってるからって、恵太にちょっかい出さないでよね

あによ、その言い方!
そんなんじゃ、ティナにかっさらわれるわよ

むかつくぅ、その名前出さないでよね!

優子と真奈美をよそに

恵太、ありがとう
正直助かったよ

ん、俺も得するし、お互い様だよ

しかし、驚いた、そんな手法、考えも付かなかったよ

翔くん、恵太は高橋一族の総代よ
こんなの朝飯前よ

あに、自慢してんのよ
凄いのは恵太で、優子じゃないわよ

自慢なんだもん、
どんなことだって、恵太はプラスにしてくの

いい顔、するね、恵太のことになると

え?

うん、ほんと、良い顔して話すよね
恵太の事は

淋しいの?、翔

ん、…………言わせるなよ

そのとき、春奈ちゃんが
俺と真奈美の間に割り込んで座ったんだ

どうぞ

御酌された

あ、うん

私の話は、いつ、聞くの?
私だって被害者よ

ごめん、その

マッサージ十回で許すよ

あ、うん、わかった

…………なんか、ムカつくな
除外されてる感、強いわ

そんなこと!

………な、は、春奈ちゃん、何を

ごめんね、優子さん、キスしちゃったぁ
ヤッパリ、そうなんだ
私、恵太が好きみたい

俺、動揺しながらも、フル勃起しちゃってたんだ

……………

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