《MUMEI》
未来予知
「お前が見たのはおそらく、未来予知だろうな。アタシも信じられないが」
水城が言う。
城北高校で、自殺事件があったため、全生徒は下校になったので瑛斗達は両親が仕事に出ていて親のいない織坂の家に集まっていた。
「けどさぁーそんなオカルトっぽいことありえんの?」
ポッキーを食べながら、初瀬が言う。
確かにありえない話だが、事実、瑛斗は見ている。
「まっ、俺は信じるよー。水城っちゃんの言うことはだいたい当たるし」
「とりあえず...だ。その女子生徒にコンタクトをとるべきだな」
「瑛斗、心当たりないの?」
桐乃の問いに瑛斗は首を振った。
「あの人の事はなにひとつわからないんだ」
「そのくらい恥ずかしがらずに聞こうよっ!瑛斗はシャイだなー」
「杏梨ちゃんの言うとおりだぞ。男が恥ずかしがってどうすんだ」
初瀬と織坂が非難してくる。
「そんなんじゃねーよ。ってか、じゃあ、織坂は恥ずかしがらずに女子になんでも言えんのか?」
「おう!水城っちゃん、今日も最高に綺麗だよっ!」
こんなこと言われたら水城は照れて...
「キモいうざい死ね」
冷酷だった。
「ひどくねっ!?褒めてそこまで言われる人もいないと思うよっ!?」
こんな感じにいつも織坂は水城にアプローチをかけているが、いつか叶うのだろうか。
先が楽しみである。
「とりあえず...だ。その女子生徒に会うまで何も分からん。と言うわけで」
「探しに行くんだな?水城っちゃんナイスアイデア」
「人のセリフをとるな、首の骨を折って死ね」
「なんでっ!?それに今水城っちゃんが折ったのは話の腰だよ!?」
「うるさいわよ織坂。バカは黙ってなさい」
桐乃の容赦のない言葉により、織坂の心が折られたのだった。

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