《MUMEI》 言いたい事『おい!見たか!?』 「あぁ、見たよ…。」 相手は司だった。 彼は電話の向こう側で、息を切らしながら話す。 どうやらニュースを見た直後、急いで家を出、今洋平の家に向かっている途中らしい。 『これから美樹と‥優香に‥っ合流、するから…っ!』 「そうか。俺も皆に言わなくちゃいけないことがある。」 『何だ!?また、写真…変わったのかっ!?』 「写真…。そういえば…」 昨夜見たっきり、一度も見ていない事に気付く。 『見ていないのか?』 「うん、今日はまだ…」 『じゃあ言いたい事って?』 「いや、それは来てから話す。だから早く来てくれ。」 『わ、わかった!』 洋平は電話を切ると、急いで写真を確認した。 見なければよかったと… 肝試しなどしなければよかったと これまで、こんなに後悔した事があっただろうか? 「次は…………」 洋平は部屋の隅で頭を抱え込みながら、小さくなって震えていた。 前へ |次へ |
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