《MUMEI》
出会い
面白いことねーかなーと考えながら、

ザワザワとうるさい人混みを歩く。

俺、宮野優は、特に行く場所もないが

街をさ迷っていた。

家に居たってつまんねーしなあー、せ

めていい暇つぶしがねーかなー…。

なんて思ったとき、

スッ と隣を通った青年に違和感を感じた。

こいつもしかして…

「おい!ちょっと待て」

俺は、振り返りさっきすれちがった青年をよびとめた。

まあ、このうるさい街で呼んだって聞こえるわけねーよなぁと思いながら。

だけど、あいつには聞こえてた。

ゆっくりとこっちを振り返った顔には少しだったが笑みがあった。

「なに?僕をよんだの?」

少しだけ嬉しそうな青年は俺の目はっきり見て言った。

右目を髪で隠しフードを被っていた。

「あぁ。ちょっと気になったことがあったからな」

「ふーん。いいよ。僕も君と話したかったからね」

そう言って嬉しそうに笑った。

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