《MUMEI》
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赤羽先輩、私は彼女に…好意を抱いている。
自分の心には嘘を吐けない。
だから私は、この気持ちを認めることにした。
でも、気持ちを認めても、私は先輩と、どう接すればいいのか判らない。
先輩の過去を知って、それを受け止めることが出来ない。
あれから私は姉に先輩について訊いた。
驚きながらも彼女は、私の話を聞いた上で、全ての話を肯定した。
つまり、赤羽先輩は私の予想を超えるような重い過去を背負っていたというわけだ。

私は少女と街を歩いている。
年齢は一つ上、目立たない、けれど知り合うと魅力的な少女。
赤羽先輩である。
無言で並んだ二人の影が道を進んでいる。
赤羽先輩との関係は、しばらく考えようと思っていたのに。
どうやら保留は使えないらしい。
「……どうして、今日は急に逢いたいなんて言ったんですか?」
私は気まずい沈黙を破るように口を開いた。
「朝、いきなりメールが来たのには驚きましたよ」
「…由から聞いたよ
私の昔の話を訊かれたって」
やはりその話か…。
「…ええ、小耳に挟んだので
……先輩って明るいので、少し意外でしたけど」
「そっか…」

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