《MUMEI》 質問―次の日― 俺は目が覚めた。 あの夢は何だったんだろう。 普通だったら夢ってすぐ忘れる。だけど、俺が見たあの夢は不思議なくらいリアルで、まだはっきりと覚えている。 一生忘れないように記憶の箱に植えつけられたみたいだ。 「朝食ですよ。」 瑠菜が入ってきた。 「ありがとう。」 俺は夢のことが気にはなったが、あえて気にせず飯を食うことにした。 「あの。幸紀さん。」 俺がスープを飲もうとスプーンを持ったとき、瑠菜が話しかけてきた。 「何だ?」 俺は無愛想に返事を返した。 「幸紀さんはセレナ様の話を聞いて、人間が嫌いになりましたか?」 瑠菜の表情が真剣になった。 前へ |次へ |
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