《MUMEI》
▽
真菜はソファに座り、テレビを見ながらピザを食べている。
母さんからはさっきメールが入った。
今日は同僚との付き合いで飲んで来るらしい。
――俺達の母親は大手宝石店の店長をしている。
その為閉店まで居なくてはならないらしく、帰りは何時も、遅い。
「お母さんもうちょっと早くメール寄越せば良いのにねー、そしたらMサイズにしたのにさ…」
真菜は大きなピザを吊し食いしながら溜め息混じりにぼやいた。
「まあ、色々あるんだろ…、しょうがない、俺も付き合うか」
俺は真菜の隣に座り、端から一ピースを取り上げる。
「…お兄ちゃん、昨日何処泊まったの?」
「え?」
俺はふと真菜を見る。
…つかスゲーニヤニヤしてるし。
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