《MUMEI》
ゆりちゃん
「う〜う〜〜」

困ったなぁ
僕は、さっきから抱きついて離れない彼女を見た。

「うぃ〜う〜う〜」

何が気に入らないかなぁ

不機嫌そうに口を尖らせ唸っている彼女の髪にそっと触れてみる

柔らかくて気持ちいい

「ふぅ〜〜」

不意に彼女が溜め息をついた
顔を見ると気持ち良さそうに目を閉じている
猫みたいだ

「そろそろ退いてくれませんか?ゆりちゃん」
「嫌」

やっぱり…そうだよね

「何で嫌なの?ゆりちゃん?」
「……………ふんっ」

えっ?何?
急にゆりちゃんが立ち上がった

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