《MUMEI》

「さっきから退いて退いてって、そんなにゆりのこと嫌いなの!?」
「えっ 違う…」
「もういいよ!
ケイくん嫌い!バカ!」

あっ 
行っちゃった…

ゆりが部屋から出て、直ぐに風呂場の扉が閉まる音がした

こうなったら中々機嫌を直してくれないから困ってしまう

「はぁ…」

僕はゆっくりと腕を伸ばし、ソファーに寄りかかった

やっぱり、ゆりは変わった子だ
子供の頃から変わっていたけど、ここまでとは思っていなかった

「まぁ…だから好きなんだけどな…」

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