《MUMEI》
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赤羽先輩は私のことをどう思っているのだろうか?

二日前、あれから赤羽先輩は逃げるように帰ってしまった。
なんだか気まずく感じてしまい、昨日も連絡ができず、今日を迎えてしまった。
そして今日は文化祭の前日であり、生徒のほぼ全てが登校して準備をする日だ。
文芸部も例外では無く、ブースの設営や打ち合わせがある。
つまり赤羽先輩と顔を会わせると言うことで…。
…考え直すとまた心配になってきた。

みんなが談笑する中、私は黙りこんで座っていた。
「…どうしたの?
具合でも悪いの?」
声を掛けてくれたのは部長さん(確かサクラとかって名前だったはずだが、よく覚えていない)だった。
「いえ、ちょっと考え事をしていただけです…」
心配はかけたくないので適当に濁しておく。
「そう…?」
怪訝そうにしながらも納得してくれる部長さん。
「…あ、そういえば、まだ赤羽さんが来てないけど、どうしたか知らない?」
それは私も気になります…。
というか、もしかしたら私のせいかもしれない…。
「…わかりません」
「そっか…」
チラッと私の目を見てから、何故か気まずそうに部長さんは言った。

しばらくしても赤羽先輩はやって来なかった。
「……ダメ、やっぱ出ないよ」
姉が電話を何度か掛けているが、繋がる様子は無い。
「困ったね…
…仕方無い、準備を始めようか」

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