《MUMEI》 8/30赤羽先輩は私のことをどう思っているのだろうか? 二日前、あれから赤羽先輩は逃げるように帰ってしまった。 なんだか気まずく感じてしまい、昨日も連絡ができず、今日を迎えてしまった。 そして今日は文化祭の前日であり、生徒のほぼ全てが登校して準備をする日だ。 文芸部も例外では無く、ブースの設営や打ち合わせがある。 つまり赤羽先輩と顔を会わせると言うことで…。 …考え直すとまた心配になってきた。 みんなが談笑する中、私は黙りこんで座っていた。 「…どうしたの? 具合でも悪いの?」 声を掛けてくれたのは部長さん(確かサクラとかって名前だったはずだが、よく覚えていない)だった。 「いえ、ちょっと考え事をしていただけです…」 心配はかけたくないので適当に濁しておく。 「そう…?」 怪訝そうにしながらも納得してくれる部長さん。 「…あ、そういえば、まだ赤羽さんが来てないけど、どうしたか知らない?」 それは私も気になります…。 というか、もしかしたら私のせいかもしれない…。 「…わかりません」 「そっか…」 チラッと私の目を見てから、何故か気まずそうに部長さんは言った。 しばらくしても赤羽先輩はやって来なかった。 「……ダメ、やっぱ出ないよ」 姉が電話を何度か掛けているが、繋がる様子は無い。 「困ったね… …仕方無い、準備を始めようか」 前へ |次へ |
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