《MUMEI》 3の続編。希望されたので、続編書いてみました。ヒロト目線です。 動け…動け…動け… 俺は、管に囲まれた鉛のような重い身体を必死に動かそうと焦っていた。 数時間前、俺は事故にあった。気付いた時には、瞼を開ける事も指一本動かす事も叶わなかった。 なのに、何故か聴力だけは失われておらず、医師、母さんの声はシッカリと聞こえてきた。 《なんだよ、これ?俺はこのまま植物状態になるのか?》 医師の言葉に不安に襲われゾッとする。 《いや…駄目だ!俺にはまだ心残りがあるんだから…》 それは……。 《………勇……俺はずっと前からお前が好きだった。でも怖くて言えなかったんだ。》 でも、こんな状態になるんなら、お前に伝えておけば良かった! 《なぁ…勇…俺って間抜けだろ?あぁ…もう一度お前の顔を見たいよ。》 もう、このまま駄目になるのか、と不意に涙が溢れた。 その時…右手に温かい人肌が触れた。と次の瞬間…さっき俺が思い浮かべた言葉が聞き慣れた声で聞こえてきた。 《嘘だろ?まさか勇も俺と同じ?……》 俺達は…両想いだった?なのに二人して怖がってて………。不意に笑いが込み上げて来た。 『ぶ…ぶっはははっ…………』 あ?あんなに動かなかった口元が動き、笑い声が漏れた。 『ヒ…ヒロト?』 それを切っ掛けに、瞼が開き、念願の勇の顔が拝めた。 『泣いてんじゃねーよ、馬鹿勇!』 目の前には、俺の右手を握り締め、涙目な勇の顔。 『てめっ、お前こそ笑ってんじゃねーよ、間抜けヒロト!』 鼻声で叫ぶ勇の右手を、シッカリと握り返して、また泣くかな?と思いながら… 『俺も好きだよ、勇!ずっと前から』 勇の独白を告白に変えて、告白返しをした俺だった。 ********* うわっ、コメ&ポチありがとうございましたm(__)m なんとかハピエンにしてみましたが…こんな仕上がりに(>_<)だ、大丈夫でしょうか?すみません。 皆様のコメやポチ、嬉しかったです!読んでいただいてありがとうございましたm(__)m 前へ |次へ |
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