《MUMEI》
キモオタの、大逆転
理系の大学に通ってた
友達はパソコン

アイドルが好きで、でも、追っかけなんかはしてない
パンチラや、胸ちらが、好きで
画面からキャプチャーしてた

車も好きかな
中古の軽自動車だけど、お気に入りの車がある

再婚を繰り返した父は
腹違いの兄弟がたくさんいる、複雑な家庭を使ってくれやがったんだ

地主で金はあるから、女がよってくるんだよ
次から次えと

血の繋がった、姉が一人と
腹違いの妹が三人

反りが合わなくて、俺は独り暮らしをしてる

金には困らないからね

父は、俺に甘いんだ
唯一の男だからだ

人が嫌い

ずっと、いじめられてきたからかも

長い前髪
黒渕眼鏡
猫背

それが、俺の特徴らしい

身体を鍛えてみた、けど、人を殴れないんだ

暴力は、嫌いだ
それに、恐いよ、喧嘩とか、争い事は

極力、人と接するのを避けて、生活してたんだ

家族も、俺がいない方が良いみたいでさ

バカにされるそうなんだ
俺と、兄弟だと

母も、血は繋がってないから

俺を産んだ母は、死んじゃったしね

そんなある日、父が亡くなったんだ

お通夜のとき、末席に居たんだけど

葬儀の時に、喪主にされた

父の遺言
当家は、男子が引き継ぐ
異論ある者は、去れ

法的に、財産を分けることにはなるそうだけど

俺、ほとんどの資産を受け継ぐ事になるらしい

贈与税も、土地を売却して、納めるそうだ

幼少の頃から
そういった、教育は受けてたし
父に言われるまま
宅建や鑑定等の資格も取ったし
経理も、手伝わされて、それなりにわかる

銀行や、不動産 屋の態度が、急に変わった

通夜のときは、挨拶すら、してこなかったのに
敬語で話し掛けてくる

基本、人が嫌いだから、適当に挨拶して、その場を離れたけどね

身内の鬼畜どもは、金の話ばかりしてやがる

納骨を終え、お経をいただいたあと
喪主として、挨拶した

小さい声で、それなりの挨拶をしたんどけど

四十九日が済むまで、金とかなんとか能書き垂れないでください
嫌いますよ、父は、そういった輩を

冷たく、そう、話したんだ

静まり返ってた

俺は、位牌を持ち、誰とも話すことなく、帰宅したんだ

………

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