《MUMEI》 記憶の森「幸紀さん。待っていました。」 セレナは真剣な目で幸紀を見た。 セレナの部屋には、瑠菜と沙羅が居た。 「あなたが知りたいことは何ですか?」 セレナは幸紀をじっと見つめたまま言った。 「俺の母さんはどうして人間界に居るんですか?」 「・・・」 幸紀は唾を飲み込んだ。 「それは、私には・・・」 セレナは分からないと言ったように首を横にふる。 「そう・・・ですか。」 「聞きたい事はそれだけですか?」 「はい。」 セレナは、はぁ。と深呼吸をしてから、言った。 「私は貴方に話さなければいけない話があります。最初に言えば良かったのですが。 私は・・・アイン様のもう1つの呪いにかかっています。」 セレナは決心をした顔立ちをしていた。 幸紀は大きく呼吸してから聞いた。 「呪いは1つだけじゃなかったんですか?」 「いいえ。呪いは2つあります。1つ目の呪いは知っていますよね?2つ目の呪いは・・・王家の血をひくものしか王になれない。王家以外の者が魔王になった場合、私のように幼い姿になってしまう。と言う呪いです。」 セレナはまた深呼吸をした。 「呪いは王家の者しか解けないようになっています。どうすれば、呪いが解けるかは分かりません。」 セレナは困ったように眉間にしわをよせた。 「セレナ様。記憶の森に行けば、何か分かるかも知れません。」 瑠菜が口を開いた。 「そうかもしれませんよ。セレナ様。行って見ましょう。」 沙羅も体を乗り出して嬉しそうに、言った。 「そうですね。幸紀さん聞いて下さい。魔界には記憶の森と言う、まぁ。名前の通り、森があります。その森の奥には知識の石があります。その知識の石が貴方の知りたいことを教えてくれるでしょう。」 セレナ様はにっこりと微笑んだ。 前へ |次へ |
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