《MUMEI》
劣等
世界を大きくわけるなら、
上と下
黒と白
善と悪
大と小

どちらか一方は必ずよくて
どちらか一方は必ずおとる
そんなわけじゃない。

それは間違った考え方だと、
そう、教わってきたはずなのに。

誰かが云ったヒトコトで、

私の世界は狂いだす。

おかしいなおかしいな、
私の世界がおかしいな、

みんなが上で
ワタシは下で

みんなが白なら
ワタシは真黒。


劣等を感じて、私を亡くす。
その世界はホンモノ?
ワタシハホンモノ?


そうやってふさぎ込むことが、
自分を責めたて続けることが、

まわりを優越に浸らせると気付いたときに。

私はワタシを捨てて、
まわりを蹴落とすわたしになる。


上になる。
白になる。

まわりを黒に染めて。

次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫