《MUMEI》

初日の出を見に行く、か

めんどくせーけど
なんか、少しずつ楽しかったし

あんなに、ムカついて嫌いだったマナブが居るのに
不思議だよ

軽自動車なの?

ハルナが、言ったんだ

そうだよ

お金あるんでしょ?

ひとりで乗るのに、でかい車要らないじゃん

ま、いっかぁ、隣乗せてね

向こうのれよ、文句あるなら

女の子が乗るって言ってんだから、ドア開けてよ

ほら、行こうぜ、混んじゃうぜ!

マナブの声がしてた

はいはい、どうぞ

ハルナを助手席に乗せたんだ

会話に困るよなって、思ってたけど

でも、ハルナが話題をたくさんふってくれたから、そうでもなかった

高速道路を降りて、峠道を上がってくと
渋滞が始まってたんだ

ハルナとアキナが電話してた
この二人、通話料掛からないんだってさ

暗くなってきた峠道は、赤いテールランプが、並んでた
ノロノロ運転だ

うん、軽自動車った、バカにしてたけど
音楽凄く良い音でね
シートも皮みたいだし、それに、室内のイルミが、とても綺麗でビックリよ

うん、あのね、スピーカーも青く光ってるの
天井もだよ
それに、ジュースホルダーも、ダッシュボードもだよ

そうそう、私軽自動車乗るの初めてよ
絶対乗らなかったもん

くすっ、うん、別人みたいだよ
眼鏡は黒渕だけど、キモオタしてないかも

くすくす、やだぁ、
うん、見てる
シートベルトデ胸が強調されてるからかな?

くすくす、コート脱いでるよ
ミニスカートも、チラ見してるわ

なんの話し、してんどだか

見なきゃ失礼だろ?!

大きな声で、会話に割り込んだんだ

アキナが笑ってるよ
気を付けてって、言ってるわ

はいはい

……………

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