《MUMEI》

ちっ、彼氏連れかよ
行こうぜ

だから言ったろ、あんな美形が一人でボーリングなんて来るわけねーってよ

意外にも、男たちが、退散してたんだ

もう、ムカつく、不細工のくせにしつこくて
行こう

ハルナが腕を絡めて来たんだ

喧嘩になるかと思ったよ

ならないわよ、
見た目で勝負決まってるわよ

なにそれ?

………ノブ、わかってないの?

なにが?

………来て、面白いもの見せて上げるから

どこいくんだよ

いーじゃん、夜までまだあるよ

ハルナの言葉に
さっきの男たちが

夜までだってよ、いーなぁ、あんな女とよ

ムリムリ、俺らにはムリだよ

けっ、色男が、ムカつく

そんな声が聞こえたんだ

パンプスを穿いてるハルナが

背、高いね、ノブいくつあるの?

ん、79かな

腕も、逞しいよね

喧嘩は弱いよ

くすっ、期待してないわよ、ソコは

あっそう

行こう

胸が、アキナと比べもんにならねーな
デカイよ、ハルナ

こんなにくっついて、襲うぞ、マジ

なぁに?

ん、なにカップ?

もう!エッチ!

文句言ったのに、腕を離さないんだ、ハルナ

………喫茶店?
洒落たお店だなぁ

ハルナに連れてかれたのは、今どき珍しい
個人でやってるようなお店だったんだ

ログハウスのような作りで、天井が高くて
珈琲の良い香りがしてた

ハルナさん、久しぶりですね

あ、うん、ねぇ、いつもの美味しい珈琲と、ご自慢のレアチーズケーキ、ふたつづつお願いね

はい、かしこまりました
イケメンですね、新しい彼氏ですか?

小声でハルナに聞いてたのは、佐々木さんだ

ん、口説いてるの

ハルナサンがですか?

そうよ

へ〜え、わかるかも

俺を見て、佐々木さんが言ってた
昔、キモいって、言われたのにさ

馴染みなの?

うん、昔の彼氏と来てたんだ

あ、そう

………嫉妬とか、する?

なんで?

もう、バカ!

へ?

………………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫