《MUMEI》
突然の、サヨナラ
メール

なに?このメールは?!
誰かのいたずら?!

車を飛ばし、ハルナの家を訊ねた

電話が通じないんだ

ハルナ!

ハルナの実家は、もぬけの殻だった

明かりが付いてない

もう、夜九時なのに

お父さんの車がない
お母さんの自転車も、ない

春から勤めた、ハルナの会社に問い合わせたら
一身上の都合で、退職したって

そうだ、アキナなら、何か知ってるかも?

あれ?、引っ越してる、
だから、アキナも電話が通じないんだ!

なんで?

そんな、バカな?!

夢だ、夢に違いない

うろたえてた

人生で、こんなに、うろたえた事はない!

胃が痛い

吐き気がする

現実じゃない?!
なのに、この痛みはなんなんだ?!

メールを見た

サヨウナラ、忘れてください
ハルナ

こんな、こんな、短いめーるで!

嘘だ、何かあったんだ

探す、どんなことをしても、ハルナを探してみせる!

仕事をそっちのけで、ハルナを探してた

ノブユキさん、なにをしておられるのです!

んだよ、なんの用だ、揃いも揃って

ノブ、ハルナさんのサヤナラを、無駄にしてはダメよ

まち子……何を知っている?話せ

お戯れはその辺になさい
貴方は、神谷家の跡取りで御座いましょう
いつまでも、庶民と戯れておられては困ります、
仲違いも、ありましたが、
父上の意志の元、あなた様が行われた政に
我々は、一同、気持ちを新たに集結した所存です
良き、嫁は、良家からもらい受ける手筈が…

おい!、何をした?!

ノブユキ様、く、苦しい、は、母に何を

誰が母だ?!
もう一度どけ、聞く、ハルナになにをした?!

止めろ、ノブユキ君、話したまえ

黙れ!

ズガーン!

ぐぁぁ、け、警察を呼べ、は鼻が、折れたぁ!

まち子、答えろ、旦那が死ぬまえにな

ノ、ノブ、お、落ち着いて!

早く、話せ

ノブ兄さん、お母さんが?!

話さんか!

わ、私は反対したのよ!!

母と言う名の獣が、失禁してた

姉と言う名の、偽善者が、うろたえ、言い訳をしてた

話してくれ

母と言う名の獣を、床に捨てた

許さんぞ、絶対許さんぞ!

貴方は黙ってて!

まち子、お前はドッチの、味方なんだ?!

私は、私は神谷信幸の姉よ!
離縁します

な、なんだと、寝返るのか?!

ムリよ、ノブは、本気で怒りを露にしてるのよ


まち子、何を恐れる
我々が束になれば

黙ってて!!

ノブは、父の意志を継いだと、言ったわ
計画を引き継いだんじゃない
意志を継いだのよ!
消されるわ、歴史から
私はごめんよ!
娘も居るの、ノブは、父よ

まち子、どうしたってんだ?

今、わかったわ、
なんで、わらなかったのかしら

まち子

訴えなさい、貴方の会社は潰します

な、何を
まち子、どうしたんだ?!

私達の変わりは、ごまんと居るのよ!
ノブは、無条件でと、言ったもの

何を言ってる
私らが協力しなければ、こいつだって、破産だろが?!

バカね、私は桁を間違えてたんだわ
3000億円なんて、キャッシュよね?

な、ば、バカを言うな?!

遺産相続で、半分は母親が

違うわ、ノブはなにもしなかったんじゃないの
卒業まで、じっとしてたんじゃないの
有価証券
海外の、有価証券よ
買った額で、記載されてたのよ
今、売れば

違法だろ?、そんなのは

いいえ、まち子様がおっしゃる通りで御座います

老人の声がした
父の顧問弁護士のじいさんだ

いくらにいくらになるか、わからぬ物は
購入当時の額面でかまわないのですよ
ゼロになってるやも、しれませんのでね
それに、毎年金で、生前贈与を受けておりましたゆえ
ノブユキ様は、元より神谷家の主として、育てられておったのでしょうな

私の役目はおえましたゆえ
隠居させてもらいます

ノブユキ様、娘を置いていきますゆえ
よらしく、ご指導のほど
お頼み致します
全て、伝えてありますゆえ、役に立てると自負しております
では、失礼致します

………

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